わたなべクリニク院長雑記: 皮膚科疾患アーカイブ

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 私が皮膚疾患治療をしていてすっきりしないのが、ニキビとシモヤケでしょうか。両疾患ともに治療方法は決まっているが、必ずしも患者さんが100%喜ぶ結果に至っていない事があるからです。本稿はニキビについて少し調べましたので私見を少し加えて述べてみたい。

 ニキビは、毛穴の奥にある皮脂腺からの脂の排泄障害により生じます。この脂が毛穴に溜まってしまった状態を面疱(めんぽう)と言います。一般的には白ニキビ、黒ニキビと呼ばれるものが相当します。この詰まった皮脂に細菌が繁殖すると、化膿して赤ニキビになります(図)。赤ニキビになると困るのは"ニキビ跡"が色素沈着や凹みになって残る可能性があることです。

 ニキビの予防法は結構、大変です。生活習慣病の人(私を含めて)に食事を考えなさい!と言うのに似ていますが、一応 実行可能な順番に列挙してみます。1.ファンデーションに使用するスポンジをこまめに洗う。枕カバーもこまめに洗う。(脂、細菌が繁殖しているから)2.自宅では髪の毛を挙げる。髪の毛が肌には刺激を与えるし、ヘアクリームがニキビをできやすくします。3.日焼け止めを使う。紫外線はニキビの原因になります。4.食生活に気をつける(ティーンエイジャーはかなり困難な印象)脂肪の取りすぎはニキビの原因になります。動物性脂肪を多く含む肉類、バター、チョコレートやケーキ、ポテトチップスなどのスナック菓子を禁止するか減量する。5.「肌のゴールデンタイム」である夜10:00からAM2:00の間に睡眠を取ることで、皮脂の分泌が増えにくくなるらしい。

 ニキビの治療法は日本皮膚科学会ガイドラインがあるので以下に示します。治療の基本には商品名がデフェリンゲルと言うアバタレン外用薬が基本になります。この外用薬は図にあるように面疱の原因である毛穴のつまりを取り除いてくれる作用をもっています。11回洗顔後に塗るわけですが、人によっては乾燥やヒリヒリ感を感じたり、皮膚が赤くなる人もおられます。乾燥が強い人には低刺激性保湿化粧品を塗った後に使用する方法をお勧めします。デフェリンゲルがどうしても合わない人にはイオウカンフルローションを用います。イオウには、角質を軟化させる作用のほか殺菌作用があり、カンフルにはおだやかな消炎・鎮痛作用があります。使い方は12回患部にぬりますが、変わった薬で液体が2層に分かれています。朝は上清液、晩は降ってから混濁液にしてからを用います。

 赤にきびのような細菌感染がある場合には、抗生剤の外用薬(ダラシンTゲル)で細菌を退治する必要もあります。また、中等症異常の赤ニキビが多発している場合には内服抗生剤(ミノマイシンやルリッド)を併用したりもしますが、若い女性の中にはミノマイシンでめまいを起こす方がおられるので注意が必要です。

 面皰圧出(針で面疱の先端を少し切って膿を専用の圧挫鉗子で絞り出す方法)については、白ニキビのうちに皮脂を取り除く事によりやっかいな赤ニキビになる前に退治する方法です。もちろんすでに細菌が繁殖している赤ニキビにも有効です。膿を取り除き早く炎症を引かせることで色素沈着や瘢痕の残る可能性を低くしてくれます。

 ニキビが困ったなーと思うのは、治療にて軽快はしますが完全になくなる保証ができないことでしょうか。患者さんの生活習慣や体質などに因る事も大きい疾患だと思います。


にきび.jpg

 小さい頃、歯並びと肌の白さだけが取り柄で祖母にそのことを良く褒められていました。他に褒めるところがなかったのかなと思います。さて、その歯並びも、前歯は差し歯になり、歯肉は後退し、寄る年波をかわすことが出来ません。また、アレルギー体質ではなかった肌も78年前から突然 金属アレルギーになりました。

 ことのはじまりはメタルフレームの眼鏡でした。フレームに接触する部位のニキビが自壊し難治性の皮膚炎になったことから始まったようです。この時に、何かしらのアレルギーが成立したのだと推測しています。セルフレームに変えてから再発することはなくなりましたが、最近ではジーンズのリベットに悩まされています。履かなければ良いのですが、やはり休日にはジーンズを着用しないとOffの気持ちになれないので私には必須なんです。ヘソ下の皮膚に掻痒感を伴う紅斑が出来て、結局掻いてしまうので(患者さんには掻かないようにと言いますが無理な注文だと思います。せめて爪を切りましょうとしか言えません。)、掻破行為によりどんどん大きくなり赤く皮膚がただれてしまいがちです。最初の頃は防御策としてアンダーシャツをジーンズの中に入れていましたが、汗をかくと微量の金属イオンが皮膚に到達するのか効果がありませんでした。最近では、リベットの上にビニールテープを貼っています。はがれない限り予防効果十分です。先日も同じ症状の患者さんが来院されたので御教示させていただきました。ジーンズを履く度に人知れずこのようなことをしているのですが、難儀なことだと思っています。

 接触皮膚炎ですが、典型例としては化学物質に触れたところに限局して出来ますので、接触した部位の形(線状、帯状)に似た形状になります。原因物質がすぐ分かるときとなかなか判明しないときがあります。代表的なものとして、染毛剤、ヘアケア製品、化粧品、ゴム、ネックレスなどの装飾品、サンスクリーン、洗剤、などが挙げられます。古くからは"うるしかぶれ"が有名ですが、マンゴーもウルシ科なのでマンゴーを食べる度に口の周りに痒くてたまらない小丘疹などが出来る方もおります。カシューナッツやピスタチオもウルシ科なので注意が必要です。

 また変わったもので光アレルギー性接触皮膚炎があります。物質に触れただけでは皮膚炎にならないのですが、その後に光りが当たると皮膚炎が出現するという病態です。典型的な例として湿布薬があります。湿布を剥がして数日から数ヶ月経ってから同部位に四角型の皮膚炎が出現するタイプです。"光かぶれ"などとも言います。患者さん自身、湿布を貼っていたことさえ忘れている頃に出現することもありますが、特徴的な四角形の皮膚炎に遭遇したら考慮すべき疾患です。

 治療法は、まずはアレルギー物質(アレルゲン)に触れない努力をする必要があります。生活環境や職種により避けられないこともあるので、その場合は知恵を絞らなければなりません。薬物としてはステロイド外用剤と痒みが強ければ抗アレルギー剤の内服併用となります。

水イボの治療

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 水イボは、伝染性軟属腫と呼ばれるウィルスにより起きる、イボの一種です。イボが破れてウィルスが飛び散り、別の部分やに伝染します。315才くらいのお子様に出ることがほとんどで、春から秋にかけてよく見られます。 痛くない白い「できもの」が、胸やわきの下、肘、ひざなどに13mmくらいのできものが出ます。大きいものだと1cmほどになります。通常は数個から数十個のイボが出てきます。
 イボの中には白いおからのようなものがあり、この中にウィルスが入っています。アトピー性皮膚炎などの合併症を起していると痒みを伴いますが、通常はかゆみを感じることはまれです。

 患部の色は光沢を帯びていたり、少し赤みがかっていたりと、症状によって異なってきますが、水いぼ自体は痛みや痒みが少ないため、自覚症状のない子供も多いようです。13年で免疫ができ自然消失します。しかし、周りの人に感染したり、放っておくとイボが増えることがあります。

 治療に対する考え方は、いろいろあります。まずは、大きく分けて次の二つに分かれます。1.自然に消えるのだから基本的には経過観察する、2.人目やプールに入れない(水いぼがあってもプールに入れます)といけないので積極的に治療する。また2.の積極的治療にも 1)ピンセットで取る、2)硝酸銀で焼く、3)スピール膏を用いる、4)免疫療法を併用する、5)ヨクイニンを内服する、と多種多様です。それぞれ一長一短があると思います。

当院では治療希望の患児に対して、数は少なければピンセット圧出法を、数が多ければ硝酸銀療法を行う方針です。

 

1)ピンセット圧出法
 ピンセットを使って水いぼの中身を取り出す治療法がピンセット圧出療法です。水いぼに関しては、この方法が最もポピュラーな治療法ですが、患部にピンセットを押し当て中身を押し出すため個人差もありますが、子供にとってこの治療法はとても痛いと感じるようです。摘除後は 入浴後にシャワーで洗い流してください。消毒液でなく水道水で洗う事を推奨します。3日間ほどで治癒しますが、化膿したり トビヒになることもあります。その際には、抗生剤軟膏を処方しますので塗っていただきます。ご希望があれば、麻酔テープをお渡ししますので、次回の来院1時間前に取って欲しい水いぼに張って来て貰います。痛みが軽減します。

2)硝酸銀療法

 水いぼの数が多い場合には、硝酸銀にて化学的に摘除する方法をとります。いぼの先端に少量の硝酸銀を塗ります。約10分かけて乾燥させます。正常の皮膚につくと、その部分も変化が起きますので乾燥するまで大人しくしてもらう必要があります。時間の経過と共に水いぼが黒くなりカサブタができます。10〜14日でカサブタがとれてなおります。掻いたりすると、化膿したり トビヒになることもあります。その際には、抗生剤軟膏を11回 塗ってください。治療後に色素沈着(茶色くシミのようになります)を生じる事がありますが、1?2ヶ月で自然に消えてしまいます。

3)ヨクイニン療法

 ヨクイニンとは、古くから利用されてきた民間療法のひとつでハトムギの殻(種皮)を取り除いた種子のことで、精製されたヨクイニンを服用するだけです。ただし、速効精はなく、必ずしも万人に効果があるとは限らない事を承知の上で内服して貰います。

 

プールについて

水イボは肌と肌の接触や、ウイルスの付着したタオルなどを介して感染しますが、感染力はけっして強くはありません。したがって、水イボができている部位を他の児童ができるだけ触らないことや、タオルを共用しないことに注意をすれば、原則としてプールを禁止する必要はありません(学校保険法でも同様の解釈です)。ビート板が感染源として疑われるケースもありますが、患児が使用後に良く洗えば問題はありません。

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